銘柄分析:3966 ユーザベース ~経済情報の力で誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる売上高1,000億円企業になれるか~

銘柄分析

2021/12/16 長期戦略説明会の内容を受けて記事のタイトルと内容に加筆を行いました。

ポイント

  • ユーザベースは経済情報、専門家、テクノロジーを強みにSPEEDA事業、Newspicks事業を展開する企業
  • 2022年以降売上高30%成長を継続させ、2028年には売上高1,000億円を目指す。
  • 直近の成長はNewspicksの認知度向上とSPEEDAのエキスパートリサーチ事業がカギを握る。今期は来期以降の成長のためにサービス提供の核となるエンジニア組織に投資。

基礎情報

【上場】 2016.10  【設立】 2008.4
【本社】 106-0032東京都港区六本木7-7-7TRI-SEVEN六本木
TEL03-4533-1999【従業員】 <20.12>連611名 単198名(34.0歳) [平均年収]797万円【証券】 (主)みずほ(副)マネックス、日興…
【銀行】 みずほ、三菱U、三井住友、商中、りそな
【監査】 和泉【仕入先】 ―【販売先】 ―

経営陣のプロフィール

管掌or選定理由経歴
(社長)稲垣 裕介ニューズピックス代表取締役アビームコンサルティング
(社長)佐久間 衡ユーザベース、ジャパンベンチャーリサーチ、FORCAS代表取締役。INITIAL取締役UBS証券投資銀行、2013年入社
(取締)松井 しのぶ公認会計士、大手監査法人を経て2014年監査、2015年に入社
(取締)梅田 優祐UBS証券、2008年設立代表取締役。2020年に退任し2021年に取締役に。
(社外取締)平野 正雄*会社経営に関する豊富な知識。マッキンゼー、その他社外取締多数
(社外取締)浅子 信太郎*CFOの経験、グローバル企業のガバナンスアーサー・アンダーセン、KPMG等
(社外取締監査)琴坂 将広*経営管理、グローバル経営知識、マッキンゼー、大学教授、
(社外取締監査)松本 真輔*企業法務専門家法律事務所、
(社外取締監査)酒井 由香里*金融関連の知識野村證券、

代表取締役が入れ替わっていることから、過去の経営陣について確認します。
2016年マザーズ上場した年の有価証券報告書には以下の記載がありました。

2016/12 有価証券報告書

2016年に新野氏&梅田氏の共同代表取締役体制から、新野氏&稲垣氏体制に変更

2017/8 有価証券報告書より

その後のイベントは以下にまとめました。

2017/10/31持病により新野氏が代表取締役を辞任。取締役として取締役会には参加。これより稲垣氏&梅田氏の共同経営体制へ
2018/10/31新野氏が取締役を辞任。
2020/3佐久間氏が取締役就任
2020/11/9取締役会にて梅田氏からQuartz事業の経営責任を取るため本人からの申し出によりユーザベース代表取締役及びニューズピックス代表取締役退任。ユーザベース非常勤取締役に。
2021/1佐久間氏が代表取締役就任。FORCASの開発やINITIAL、ミーミルの買収でBtoB事業の発展に貢献し、グループの共同経営者としてリードしていくことが最善という選定理由。

これにより創業時の新野氏、稲垣氏、梅田氏3名のうち稲垣氏のみ実質的に経営陣に残っているようです。

沿革

2020/12 有価証券報告書より
2020/12 有価証券報告書より

Newspicksで有名なユーザベースですが、最初の事業はSPEEDA事業でした。直近2020年末にQuartzという米国事業から撤退しています。

株主構成

新野良介 621 (16.9)
梅田優祐 474 (12.9)
稲垣裕介 248 (6.7)
SSBTC・クライアント・オムニバス・アカウント 214 (5.8)
日本カストディ信託口9 127 (3.4)
日本カストディ信託口 121 (3.3)
TBSHLD 98 (2.6)
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン140051 88 (2.4)
JPモルガン・バンク・ルクセンブルグ384513 77 (2.1)
日本カストディ証券投資信託口 68 (1.8)

創業時3名が現在も大株主として健在ですが、新野氏と梅田氏に関しては徐々に保有株式が減ってきています。TBSが2.6%保有していますが、2019年の資本業務提携によるものです。

事業内容

銘柄スカウターより

2020/12期ではNewsPicks事業とSPEEDA事業の二本柱の業績になります。
Quartz事業は2020/11にて撤退し、のれんを含む固定資産の減損損失が7,810百万円、関係会社株式売却損として1,042百万円発生しており、これは2020/12期の特別損失として計上されています。

NewsPicks事業

NewsPicks事業は100以上の国内外メディアの経済ニュースとオリジナルコンテンツを読める経済ニュースメディア。

収益源

  • 有料課金ユーザの月額利用料
  • 「NewsPicks」上に掲載する広告収入
  • 「NewsPicks」上に掲載する採用情報に関する報酬
  • 「NewsPicks」を活用した組織活性化・人材育成といった課題解決ソリューションの提供による報酬(
2020/12決算説明資料

決算説明資料によると広告収入と有料課金の割合は現在半々のようです。MRRは右肩上がりに伸びており、広告収入は動画広告が好調のようです。

SPEEDA事業
「SPEEDA」は金融機関やコンサルティングファーム、会計ファームなどの顧客向けに195万件以上のグローバルM&Aデータ、グローバル統計データにワンストップでアクセスできるサービス。

収益源

  • 「SPEEDA」サービスの月額利用料(契約ID数がKPI)
  • 「エキスパートリサーチ」利用料金
2020/12期 決算説明資料

現在はSPEEDAの月額利用料が売上の大半を占めているようです。

その他(FORCASINITAIL)

その他の事業としてFORCASというアカウントベースドマーケティングのためのプラットフォームを提供しており、既存顧客のデータベースとFORCASが持っている企業データベースを組み合わせることで顧客の属性や名寄せ、企業リサーチを可能にし、マーケティング戦略構築に役立てることができます。このFORCASが持つ企業データベースはSPEEDA事業で蓄積してきた企業属性情報を活用したものです。

INITIAL事業は2019年11月にジャパンベンチャーリサーチが名称変更したサービスです。INITIALではSPEEDAと同様に金融機関やコンサルティングファーム、会計ファーム等向けに国内16,100社以上のスタートアップ企業に関する公開情報やニュースを提供するサービスです。月額利用料によるサービス提供とのこと。


成長可能性

中期経営計画はないようですが、「2022年から毎年売上高30%成長を実現し、7年後には売上高1000億円を目指す。」という成長方針のようです。2022年以降の成長のために今期は各事業への投資と、成長の中核となるエンジニア組織への投資を実行するとのこと。2020/12時点で従業員数は611名なのでエンジニアだけで約10%近く従業員が増えることになります。


各セグメントで年平均30%成長をさせるためのドライバーは?

SPEEDA事業

2021/8 2Q決算説明資料

SPEEDA事業の成長ドライバーは客数の成長はセールス部門の増強。客単価の上昇はエキスパートリサーチ事業の成長にかかっています。

現状1,764社の顧客向けに情報提供しているサービスですが、2021期1Q決算説明会の内容によると、今までQuartz事業に人員を割いていたためセールス人員やカスタマーサクセス、インサイドセールスの人員が薄かったそうです。そのためセールス人員の採用に投資して客数を伸ばしていくとのこと。ここにはアドバイザーの福田氏が入ってレベニューチームの採用と育成体制の整備を進めているようです。

エキスパートリサーチ事業とは何か?という話ですが、2017年よりユーザベースが出資していた株式会社ミーミルという会社を2020年4月に完全子会社化しています。ミーミルは日本国内に約8,000名のエキスパートネットワークを保有しています。こちらからエキスパート登録が可能です。エキスパートの方は職歴や専門分野の情報を入力し、入力内容を元に案件の紹介があるようです。SPEEDAを通じて、何か困った際は質問を投げると8000名のエキスパートの方が24時間以内に5名以上回答を返してくれるというFLASH Opinionサービスを提供しています。これはリサーチ業務を行う投資関係の事業者やコンサル会社などに役立つサービスとのこと。

NewsPicks事業

NewsPicks事業は広告と有料会員による月額利用料が主な収益源です。月額利用料に関してですが、MRRは2021/08 2QではYonY10%の増加と鈍化しています。これは去年コロナが本格化したタイミングで質の高い情報を求めるユーザが更新タイミングに入り、一部解約が起こった影響とのことで、来期以降は成長が元に戻る見通しとのこと。

2021/8 2Q決算説明資料

NewsPicksのメディア認知度は他の大手メディアと比較すると2.3倍の上昇余地があるとのこと。そのため、どう認知度を上げ、会員基盤を成長させるかが課題になります。

認知度向上の一つの取り組みとして、NTTドコモと共同開発したNewsPicks+dをリリース。ドコモの法人向けアカウント「ビジネスdアカウント」の会員だけが見えるNewsPicksのページを作り、これをドコモの販売店や提携パートナーを通して販売する体制とのこと。数値として出てくるのは来年のようです。

ドコモとの協業の他にも各地域でのオフラインイベントを開催し、日本中にユーザを広げる活動を行うとのことです。

認知度向上のための更なる具体策については今後出てくるとのことですが、昨年テレビCMを打った結果は1~2年の短期で回収できる水準ではなかったようです。


新規事業:FORCAS Sales、SPEEDA Edge

FORCASではFORCAS for Marketingとしてサービス提供していますが、営業部門向けにFor Salesとして立ち上げていくそうです。

また、SPEEDA Edgeとは北米のベンチャーキャピタルなどの企業向けに最新のテクノロジートレンドをレポートの形で市場規模を予測したり、競争環境を示したり、新しいニュースが出たらキュレーションして通知したりするサービスだそうです。

競合分析

Newspicks事業の経済情報ニュースメディアで比較しました。

ユーザベース日本経済新聞社東洋経済新報社朝日新聞社
売上高(2020年実績)59.5億
(NewsPicks事業)
1,769億円112.9億円2,627億円
(メディア・コンテンツ事業)
従業員数NewsPicks事業:202
(全体:611)
3,0493024,341
有料会員約20万人?
(MRRから逆算した数値)
76万人朝刊発行部数:475万部
朝日新聞デジタル:32万人
PV数不明214,950,000
(総PV)
321,750,249
利益営業利益:7.1億
(Newspicks事業)
純利益:5.5億円営業利益:-120億円
開示資料を基に当サイトで作成

参考:黒字を死守する「日経」、赤字に転落「朝日」の明暗

朝日新聞は新聞事業で赤字転落しているようですが朝日新聞デジタルの有料会員はNewspicksと同等かそれよりも多そうです。また、日本経済新聞の有料会員数は76万人と朝日新聞の倍以上でした。今後Newspicksがこれら既存メディアからシェアを奪っていけるか要注目です。

SPEEDA事業 VS ビザスク

リサーチ向けツールで検索したらビザスクが出てきたのでビザスクと比較しようと思います。

ユーザベース(SPEEDA事業)ビザスク
売上高(2021実績)5,509百万円1,604百万円
営業利益(2021実績)2,282百万円208百万円
登録エキスパート数8,000人超40万人超
顧客数顧客数:1,764社法人クライアント口座数:921口座

SPEEDAとビザスクの戦略の違いは?

ビザスクは専門家に1時間のスポットコンサルを依頼できるサービスです。強みは登録プロフェッショナル数と質の高さで、将来は100万人の登録アドバイザーを目指すそうです。最近買収したColeman社を含めてアジアと米国で展開していく戦略のようです。今後はスポットコンサルだけでなく業務委託のプラットフォームなどナレッジを軸に新サービスを展開していくとのこと。これらから、登録プロフェッショナル数がビザスクの強みであり、プロフェッショナル数を軸に他サービスに展開していく戦略であると推察します。

ビザスク 決算説明資料

一方で2020年決算説明資料にある通り、ユーザベースのコアアセットはデータ×専門家×テクノロジーになります。ユーザベースの戦略はコアアセットを活用した早期プロダクト開発を実現させるためのテクノロジー(エンジニア)に投資し、アセットを顧客のニーズに合わせた切り口でサービス開発していくものであると推察します。

これらから、登録プロフェッショナル数はビザスクが現状多く、今後さらに増えていくことが予想されますが、SPEEDAのエキスパートリサーチ事業としてのサービスクオリティはエンジニアの力により高いものが出てくることが予想されます。但しSPEEDAのエキスパートリサーチを支える登録プロフェッショナル数の増加も課題になります。Newspicksの登録ピッカーとのシナジーで急拡大を期待したいところ。

定量比較

最後にユーザベースと他スキルシェアリング系企業を定量比較します。

ユーザベース ビザスク ランサーズ クラウドワークス ココナラ グローバルウェイ
業種情報・通信情報・通信情報・通信情報・通信情報・通信情報・通信
株価 (10/25)1,977.0 円5,980.0 円464.0 円1,498.0 円1,805.0 円8,090.0 円
売買単位100 株100 株100 株100 株100 株100 株
時価総額726 億円533 億円73 億円229 億円408 億円486 億円
市場東証マザーズ東証マザーズ東証マザーズ東証マザーズ東証マザーズ東証マザーズ
決算期2021/12 (12か月)2022/02 (12か月)2022/03 (12か月)2021/09 (12か月)2022/08 (12か月)2022/03 (12か月)
会計基準日本日本日本日本日本日本
株主優待ありなしなしなしなしなし
予想PER105.0 倍- 倍- 倍- 倍- 倍383.6 倍
PBR11.04 倍65.35 倍4.19 倍6.46 倍17.35 倍182.89 倍
予想配当利回り0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%
実績配当利回り0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%0.00%
ROE-111.17%35.96%2.08%-1.68%3.28%-93.03%
ROA-35.10%15.36%1.12%-0.93%1.37%-27.70%
ROIC28.52%17.60%1.42%-8.49%3.01%-107.10%
EV/EBITDA75.6 倍230.7 倍57.5 倍- 倍326.2 倍- 倍
自己資本比率36.30%51.80%53.50%61.20%57.40%31.00%
決算期(月数)2020/12 (12か月)2021/02 (12か月)2021/03 (12か月)2020/09 (12か月)2021/08 (12か月)2021/03 (12か月)
売上高・営業収益13,809(10.3)1,604(63.2)3,868(11.3)8,728(-0.2)2,746(54.7)1,219(-6.2)
営業利益104(108.4)208(193.0)36(111.7)-298(-720.8)89(211.3)-362(-94.6)
経常利益-281(80.3)197(245.6)48(114.6)-311(-564.2)59(171.1)-339(-80.3)
当期利益-6,472(-299.5)201(286.5)37(110.5)-53(58.3)41(143.6)-187(-21.4)
1株当たり利益- 円(-)22.8 円(286.5)2.4 円(-)- 円(-)1.8 円(-)- 円(-)
決算期(月数)2021/06 (3か月)2021/08 (3か月)2021/06 (3か月)2021/06 (3か月)2021/08 (3か月)2021/06 (3か月)
売上高・営業収益3,898(22.5)624(61.7)971(12.0)2,078(-4.8)769(-)372(45.9)
営業利益492(270.8)-215(-513.5)-41(-156.3)174(309.6)-86(-)11(109.5)
経常利益464(233.3)-268(-646.9)-40(-263.6)186(246.5)-86(-)10(108.3)
当期利益261(141.0)-314(-740.8)-106(-10,700.0)156(247.2)-75(-)35(138.5)
1株当たり利益7.1 円(-)- 円(-)- 円(-)10.2 円(-)- 円(-)6.0 円(-)
決算期(月数)2020/12 (12か月)2021/02 (12か月)2021/03 (12か月)2020/09 (12か月)2021/08 (12か月)2021/03 (12か月)
営業キャッシュフロー1,0263932410764-429
投資キャッシュフロー-2,028-60-279536-11550
財務キャッシュフロー61370385-3831,386258
現金等7,5131,3572,0993,4183,318207
発表済み最新決算期2Q2Q1Q3Q通期1Q
売上高進捗率50%35%25%76%100%25%
営業利益進捗率89%- %11%- %100%- %
経常利益進捗率- %- %11%- %100%- %
当期利益進捗率- %- %24%- %100%- %
原価率45.00%- %50.20%61.90%96.70%56.10%
売上総利益率55.00%100.00%49.80%38.10%3.20%43.80%
販管費率54.20%87.00%48.80%41.50%- %73.50%
営業利益率0.80%13.00%1.00%- %3.20%- %
経常利益率- %12.30%1.30%- %2.20%- %
当期利益率- %12.60%1.00%- %1.50%- %
流動比率176.70%237.00%178.80%244.20%217.40%182.30%
有利子負債比率74.70%18.60%- %3.20%- %72.40%
ネットD/Eレシオ-56.70%-114.50%-110.90%-105.90%-142.50%-33.20%
固定比率114.30%16.70%32.00%11.20%12.70%7.10%
長期固定適合率70.60%14.10%31.90%11.10%12.70%4.90%
総資産回転率0.87 回0.82 回1.13 回1.71 回0.68 回1.93 回
売上債権回転率14.03 回3.89 回8.85 回13.05 回10.21 回3.89 回
棚卸資産回転率- 回- 回386.90 回- 回- 回- 回
仕入債務回転率16.80 回- 回9.48 回- 回- 回17.56 回

20223Q決算(2021/11/4更新)

本日ユーザベースの3Q決算が開示されたため、ポイントを以下にまとめました。

20223Q決算説明資料

2Q決算説明資料でのMRRは
SPEEDA:512百万円
その他B2B:161百万円
NewsPicks:252百万円
だったので、2Q比でSPEEDA:4%増、その他B2B:9%増、NewsPicks:3%増になります。
他に今回の決算でのポイントを記載します。

  • SPEEDAの解約率は0.1%改善し、1.2%に。年内の1.0%が射程圏内に入った。
  • Newspicksの新サービスとしてNewspicksトピックスをリリース。登録ピッカーと議論しつつ今後のサービスを開発。新サービスに集中するため経営の組織変更。坂本氏をNewspicksの新規事業開発推進に。
  • エンジニア投資については計画通りに進捗。
  • 全体としてNewspicksの広告期ずれ以外は計画通りの進捗。
  • 4Qはエンジニアの採用やセールスアンドマーケティング人員の採用による一時的コスト増で利益がほぼ出ない予定だが、今期4Qがボトムとなり来期以降の年30%成長に向けて動いている。
  • 丸の内へのオフィス移転により特別損失が出たため今回業績修正を発表
  • 現在の株価低迷についてはユーザベースの価値について十分に説明できていないことが原因であるため、12月に長期経営について説明の場を開催予定。
  • プライム市場に関しては時価総額1000億円にミートしていないため、株価の推移をみつつ選択していく。株価に関しては証券会社とも打ち合わせで対策を考えている。

2021/12/15 長期経営戦略説明会

本日、長期経営戦略説明会があったのでポイントを以下にまとめます。
資料URL:https://ssl4.eir-parts.net/doc/3966/tdnet/2060309/00.pdf

  • 社内外で目的を具体化し、実現するために「経済情報で世界を変える」というミッションから「経済情報の力で誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる」というパーパスに変更
  • 来期よりSaaS事業とNewsPicks事業の2セグメントに。
  • Newspicksを入口としてSaaSユーザの獲得やNewspicksExpertに流していくため、サービスのIDをNewspicksのユーザIDで統一。SPEEDAのIDについては開発期間がかかるため2023年を目途。
  • 初めて市場規模について言及あり。SaaS事業は経営コンサルティング市場の中でSaaS事業は約1.2兆円のマーケットの中で、継続的な新規サービス開発を通してSOM(Service Obtainable Market)を拡大させていく戦略。現状のSOMは1,125億円。
  • 来期以降の収益拡大のため今期は成長投資期間と位置付けていたがFORCAS for SalesやNewspicksの動画による新規会員獲得、AlphaDriveなどが想定を上回る成長をみせており、トップラインをこの機会を捉え、伸ばすために来期を収益ボトムと位置付けて黒字の範囲内で投資していく。
  • 2025年の売上高目標450億円(2021年159億円)でCAGR30%と設定。
  • 株主と目線をあわせるため、役員報酬の50%は株式とする。金額は特定されているため株価が上がると支給株式数は減っていく仕組み。
会社開示資料より

出席してみた感想ですが、直近低迷している株価に対して厳しい質問も多かった印象です。ただ市場規模が提示されたため、投資家としては成長イメージがつきやすくなったのでは?利益成長ボトムに変更があったのは短期的には残念ですが長期目線だと会社がトップライン成長に自信が持てているようなので期待したいところ。佐久間氏が仰っていましたがNewspicksが掲げる自由主義カルチャーは非常に希少で価値のあるものだと思うのでカルチャーを大切にしつつ成長に期待したいところです。

参考資料

売上成長率30%を継続するためのビジョンや、新サービスの展望などについて回答(全33問)――ユーザベース2020年第4四半期 決算説明会レポート

【採録】30%成長を継続するための組織づくりや、エキスパートリサーチ事業の展開などについて回答(全39問)――ユーザベース2021年第1四半期 決算説明会レポート

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